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有機リン系農薬(国内農薬登録分) 総説
定義
構成元素としてリンを含有する、個々の化学物質として特定される有機化合物を指し、リン酸エステル(オキソン型、チオン型)、ホスホン酸エステル(オキソン型、チオン型)、ホスフィン酸、ホスフィンオキシドがあります。日本では2008年3月31日現在で35種が農薬有効成分として登録されています。
リン化アルミニウム、リン酸第二鉄は、無機化合物のため、これらには含まれません。また、天然由来の混合物などで、個々の化学物質として特定されない成分の構成元素としてリンを含むような場合も、ここでは除外するものとしています。


由来および作用機構
福井県産の放線菌Streptomyces hygroscopicus由来のホスフィンオキシド化合物ビアラホスを除き、すべて化学合成由来となっています。殺虫剤の場合、戦争で化学兵器として使われたC-P結合を有するホスホン酸エステル系化合物が、(アセチル)コリンエステラーゼ活性阻害作用による神経毒であることを利用していたため、その作用機構を殺虫剤の開発に応用したともいわれています。現在使用されているものの多くは、C-P結合を持つホスホン酸エステルではなくリン酸エステルであるため、化学兵器の物質とは化学構造論的にも別物であるという意見もありますが、実際には、今日でもC-P結合を有するホスホン酸エステルの構造を持つもの(EPN、DEP)は残っており、また、リン酸エステルであっても、前掲のようなホスホン酸エステル類に匹敵するほどの急性毒性を示すものがあります。
また、殺虫剤と類似の構造を持つ殺菌剤もあり、これらの殺菌作用は病原微生物の細胞膜を構成するリン脂質の合成阻害(IBP、EDDP)などによると考えられています。
除草剤はビアラホスをリード化合物としたと思われるアミノ酸の部分構造を持つものなどがあり、このような構造を持つものには浸透移行性があります。アミノ酸の部分構造を持つ有機リン系除草剤は、処理対象の植物のアミノ酸合成に関わる酵素系を阻害したり、アンモニア過剰状態に陥らせることなどにより枯死させると考えられています。

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