はぴとれどっともる
トップページ
はじめに(ご案内)
分子模型の博物館
カーバメート系農薬
(国内登録分)
総説
殺虫剤(14)
殺菌剤(12)
除草剤(10)
ディレクトリを移動する
ハッピー・トレーサビリティ
トップページへ
JPCCNトップページへ
はぴとれどっともる(PC/WS用)

カーバメート系農薬(国内農薬登録分) 総説
定義
分子構造の主要部分として、(チオ)カルバミン酸エステル構造(R1-NHCX1X2-R2; X1, X2 = OまたはS)を持つ農薬有効成分の総称です。X1, X2のうち、少なくとも一方が硫黄であるものを含めると、2008年4月30日現在で36種が農薬有効成分として登録されています。なお、上記の条件を満たす場合であっても、環系に組み込まれている場合(例:ダゾメット、チアジアジン)や、農薬の分類上での他の重要な分類に属する場合は除外している場合があります。
チオファネートメチルはチオ尿素の構造を併せ持っていますが、側鎖末端部の分子構造から、カーバメート系に含めています。


由来および作用機構
殺虫剤の場合、西アフリカ原産のカラバル豆に含まれるフィゾスチグミンをリード化合物としています(例外的にカルタップはネライストキシン系として分類される場合がありますが、チオカルバミン酸エステル構造を併せもっているため、ここではカーバメート系として分類しています)。
フィゾスチグミンはカルバミン酸エステル構造をもっており、この分子構造と親油性基との組み合わせによって、神経毒性を示すと考えられていることから、農薬以外の用途を含め、これらの物質の分子構造を模した殺虫剤が多数開発されました。カーバメート系殺虫剤としての作用機構は有機リン系殺虫剤に類似し、コリンエステラーゼ活性阻害と考えられていますが、有機リン系殺虫剤が不可逆的阻害であるのに対して、カーバメート系殺虫剤は拮抗(可逆的)阻害とされています。ネライストキシン系殺虫剤(カルタップ)も神経毒として作用することでは共通していますが、別の作用点を持ち、アセチルコリンの刺激伝達を阻害すると考えられています。そのため、他のカーバメート系殺虫剤とは交差抵抗性を示さないとされています。
実際に農薬有効成分として使用される物質はすべて合成由来であり、合成の際にこのような分子構造を導入するには、対応するイソシアネートやイソチオシアネートが用いられます。カルバミン酸エステル構造の導入は容易であるという有機合成化学における優位性を活かし、このような分子構造を持つ殺菌剤や除草剤も多数開発されています。また、メソミルやベノミル、チオファネートメチルのように、全分子構造に占めるカルバミン酸エステル構造の割合が大きいものでは、浸透移行性を持つものも見いだされます。
また、別の用途として、殺菌剤のチウラムは、ゴムの加硫促進剤として用いられることもあります。

フィゾスチグミン カルタップ
(カラバル豆由来神経毒;カーバメート系殺虫剤のリード化合物) 赤色部分がチオカーバメート構造、Sを含めた黒色部分はネライストキシン系に特徴的な分子構造。


次のページへ
JPCCN関西 神戸事業区 化学情報技術センター 著作権に関する詳細 著作権に関する詳細 日本市民の化学ネットワーク 設立委員会